職人宣言をする理由

2020年に「伝統建築工匠の技」が
ユネスコ無形文化遺産に申請されることになりました。

「消滅の危機」にある状況を
もりかえしていきたい!

日本の伝統建築のすばらしさを世界に知ってもらう」のは嬉しいことですが「ユネスコ無形文化遺産」になるのは、この技術が「消滅の危機」にあるから。

本当に消滅してしまう前に、こうした職人がまだいること、すばらしい職人仕事を継承し続けていることを知ってほしくて、職人自身に語ってもらうことを、呼びかけました。それが「職人宣言キャンペーン」です。まずは、この「職人の魅力」が伝わってこそ、盛り返しへの第一歩がはじまるのではないかと、思ったからです。

私たちが進めているアクション


  • 職人宣言

    大工、左官、建具、畳、瓦、庭、石、道具鍛冶・・全国各地で、さまざまな職人が、職人仕事を大事にする建築のためにはたらく設計士が、建築用材になる木を伐ったり製材したりする山仕事の方たちが、今日も仕事しています。
    そんな各地の職人さんたちに、伝統建築の技を、そのやりがいや価値をひとりひとりが自らの言葉で語る、映像で見せる「職人宣言」が続々と集まってきています。

  • 職人応援宣言

    職人仕事でつくられた建築に触れた感動、伝統技術に支えられた美しい町並みへの愛着、職人になりたい!という思いなど、いわば「職人ファン」になった一般の人が語る「職人応援宣言」も集まってきています。
    応援宣言を寄せてくださっている人たちの言葉からは、人の手のぬくもりを感じること、自然素材で地球環境に迷惑をかけることなく心地よく暮らすこと、家づくりに携わるよろこびなど、さまざまな「価値」を感じていることが伝わってきます。

※「職人宣言」も「職人応援宣言」も、同じようにビデオや写真を撮り、「#職人宣言」をつけてSNSに投稿してください。こちらでまとめて見ることが出来るようにしています。

伝統木造の家づくり

  • 綺麗に整えられた道具

  • 向こう側が透けるカンナくず

  • ノミでうがつ

  • ノミで刻む

  • 古材を刻む

  • 古い柱に新しい柱を継ぐ準備

  • 長ほぞ

  • 刻まれた桁材

  • 曲がり梁のかかりあい仕口を刻む

  • 丸太梁の重なり合い

  • 面で組んでから立て起こす

  • 掛矢で棟木を組む

無形文化遺産登録の
その先へ

「職人宣言」「職人応援宣言」や「ユネスコ無形文化遺産登録」を通じて、国民の伝統建築への関心の高まりが、日本の伝統建築の再評価につながり、その結果として、伝統建築に腕をふるいやすい法整備や、次世代の育成につながることを望んでいます。
社寺や文化財から、気候風土に合った伝統建築の知恵を活かした住まいまで。名人名工から、職人をめざす若者まで。大きな裾野をもつ山のようにして「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産となる。「職人宣言キャンペーン」を通して、皆様とそのようなイメージを共有できればと思います。

私たちが望むこと


  • 良さが広まる

    伝統建築の良さと、それをつくることのできる職人の存在が広まり、このような家づくりが増えること。

  • 法律が整備される

    伝統建築関連の法整備が促進され、各地で職人さんたちが腕をふるいやすい環境になること。

  • 後進の育成環境が整う

    職人になりたい後継者が増えると共に、その育成の環境が整うこと。

  • 和の町並みを造り続ける

    気候風土に適応し、環境負荷も低く、美しく日本らしい町並みをこれからもつくり続けたい。