「伝統構法をユネスコ無形文化遺産に!」キックオフフォーラムには、全国各地より、300名を越える皆様にご来場いただきました。懇親会にも100名近くの方が出席、盛況のうちに終えることができました。心より御礼申し上げます。
まず始めに、中村昌生会長が、この運動を立ち上げた思いについてお話しし、大江忍より、これまでの経緯について
説明をいたしました。
その後、渡辺一正先生の基調講演では、伝統構法の特徴について学びました。
引き続いてのパネルディスカッションでは、小川三夫棟梁や能楽師の片山九郎右衛門さん、日本画家の森田りえ子さんにも加わっていただき、建築技術だけにとどまらない、日本の伝統文化にまで広がりのあるお話をいただき、日本人の自然観や精神文化と伝統構法との密接な関係性にまで深く触れることができました。
最後に、キックオフフォーラムの締めとして、伝統構法の実際の担い手である職人たちが客席から半纏や作業着姿で登場して舞台の前に並び、伝統構法やこの運動についての思いを、会場に向けて宣言しました。
「木や土や鉄など、自然の素材の持ち味に耳を傾けてつくる職人の仕事でできあがる伝統構法は、日本人の暮らしや心構えと、密接に結びついているもの」
「効率重視の工業生産のものづくりが主流となる中、伝統構法をこの平成の時代で消滅させてはいけない。もりたてて、次の世代につないでいこう!」
宣言の後、小川三夫棟梁のご発声により、会場全体で一本締めをし、登壇者、職人、参加者の心がひとつになりました。
この思いを、日本全国に広げていくことで、無形文化遺産の登録を成功させ、伝統構法を「遺産」としてではなく、今後「つくり続けていく」技術として位置づけ、先につながるための環境を作っていければと思います。