2020年ユネスコ無形文化遺産登録候補に決定!!

当会は「伝統構法を無形文化遺産に!」というスローガンを掲げてこれまで運動を続けて参りましたが、その成果が実り、2018年2月7日、文化審議会無形文化遺産部会において「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコの無形文化遺産に提案されることが決定しました。

しかし今のところ文化庁が対象と考えているのは、文化財保存修理のための「選定保存技術」に関わる14件の技術のみ。それ以外は伝統建築にかかわる職人であっても、対象となりません。そこで、ユネスコに正式申請する2019年の3月までに裾野を広げていくことを目指して「普請フォーラム2018」を企画いたしました。

内田祥哉先生に文化財の保存修理から新築までを包含する伝統建築構法の可能性について、千田嘉博先生に地震で損壊した熊本城の石垣修理についてご講演いただいた後、後藤治先生を座長に「伝統建築技術の継承・活用で切り拓く日本の未来」と題したパネルディスカッションを行います。最後には、伝統建築技術を次世代につなげていく若き職人たちによる「職人宣言」もあります。どうぞご期待ください。

日 時2018年4月28日(土)13時〜16時半(受付開始12時/開場12時半)
場 所明治大学アカデミーホール
住 所東京都千代田区神田駿河台1-1 明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン内
参加費一般:1,000円(事前振込)
学生:無料
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明治大学駿河台キャンパス

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明治大学アカデミーホール

チラシダウンロード

「職人がつくる木の家ネット」による、予告編記事

【プログラム】

基調講演

「日本建築の伝統的な価値を巡って」

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内田 祥哉

東京大学名誉教授・建築家

日本の大工は、生きている木の性質を知り尽くし木の持つ力強さと美しさをどう引き出すかに腐心しながら、長い歳月の間、代々構築の技を磨いてきた。何千年に至る長い歴史に培われた暮らしの叡智・経験の科学によってつくりあげられた伝統建築構法の可能性と価値についてお話しいただきます。

特別講演

「加藤清正公の名城熊本城の大普請」〜 4.16 あの熊本地震から2年〜

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千田 嘉博

奈良大学教授・城郭考古学者

400年前の築城以来最大の危機といわれるほどの被害を受けた熊本城。大普請には国内外から多くの支援が寄せられ、再生は着々と進んでいます。城づくり・石垣普請の天才とうたわれた加藤清正が7 年の歳月と、当時の土木・建築の粋を集めて普請した名城の再生に向けた取り組みを、特別史跡熊本城跡保存活用委員会の委員を務める千田先生にお話しいただきます。

パネルディスカッション

「伝統建築技術の継承・活用で切り拓く日本の未来」

コーディネーター

後藤 治

工学院大学理事長

パネリスト

島崎 英雄

専門学校 職藝学院 オーバーマイスター

進士 五十八

福井県立大学学長・元日本造園学会会長

小林 正美

明治大学副学長 建築家

飯田 泰之

明治大学政治経済学部准教授

日本の多様な技術の集大成ともいうべき伝統建築技術の伝承・活用は、国際的な観光資源としての街並・景観づくり、国内外に人気の古民家再生による地方創生、更には豊かな日本の森林資源利活用等、日本経済の活性化にもつながります。各分野を代表するパネリストの方々が、伝統技術の継承・進化がもたらす多様な「価値」について語り合います。