2019年8月4日(日)、主催「奈良まほろば館」「公益社団法人 ソーシャル・サイエンス・ラボ」「一般社団法人 伝統を未来につなげる会」により、東京日本橋の奈良まほろば館2階で、普請文化フォーラム2019が開催されましたのでその様子をお届けします。参加者70名
テーマ「平城宮大極殿院の復原から学ぶ~史跡上における復元の法的、技術的手法を探る」
講師:松本 浩氏(国交省近畿地方整備局国営飛鳥歴史公園事務所所長)
講師:上田忠司氏(㈱竹中工務店設計本部・伝統建築グループ副部長・工学博士)
コーディネーター:津村泰範氏(長岡造形大学造形学部建築・環境デザイン学科准教授 )
挨拶:後藤 治会長(工学院大学理事長)
まとめ挨拶:川井徳子 理事
司会:大江 忍 事務局長
後藤 治会長挨拶
左 松本 浩氏 右 上田忠司氏
コーディネーター 津村泰範氏
松本氏、上田氏の講師2名にご講演をいただき、津村氏のコーディネートでパネルディスカッションを開催いたしました。
内容は、古都奈良にある平城宮跡歴史公園に復原中の大極殿院にスポットを当て、
史跡などの文化財において伝統技術による木造新築復元(復原)工事の調査、許可、設計、施工がどのように行われているか、
そのプロセスを探りました。
松本氏からは、現在の平城宮跡歴史公園の第一次大極殿院の復原において
、匠の技術と桧などの木材が奇跡的に現在継承されてきたからこそ復原工事が可能であったが、
これから300年後に、今回のような復原工事が果たしてできるのかという問題意識があり、どうやって、
これを失うことなく引き継いでいき、何をなすべきかというご意見がありました。
上田氏からは、古代における都の変遷や復元の定義と批判、および解釈
、竹中工務店が施工した平城宮朱雀門の復原についてご説明がありました。
PDでは、平城宮の復原における構造に関する変遷があり、耐震から免震、制振へと木質構造の研究とともに採用されている設計も移り変わったこと。
また、建築会社の名前は残るが、その復原をした棟梁の名前も顔もめてこない現状は、
職人の地位を低くみている傾向が続いているので、もっと表に名人の職人の名が出るような環境づくりが大切であるとご意見も出ました。